人材の流動化に対する「備え」とは?

株式会社エス・ピー・ネットワーク 総合研究部 上級研究員 吉原ひろみさん

HR(ヒューマンリソース)に関するリスクには2種類ある。

 

――エス・ピー・ネットワークではどのような業務に携わっていますか。

 

当社では企業を取り巻く様々なリスクに対応していますが、その中で私は主に企業のヒューマンリソース(=人的資源)に関する「危機管理」の担当として、人に関するリスク管理でお悩みの経営者や人事担当者に対して、お困りごとを解決するために、トラブル発生時の対応アドバイスや、職場の意識調査、規程類の見直しや周知のお手伝い、研修等を行っています。

 

人に関する「リスク」というと、悪意のある人が起こすマイナスのできごとというイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。例えば、資産の横領や規定違反等、「従業員が悪いことをする」といったイメージは浮かびやすいですよね。もちろん、それ自体は間違っていないのですが、そういった側面だけでなく、「モチベーションの低下」「職場でのコミュニケーションロス」等、プラスに伸ばすべきものが思うように伸ばせない、減じられてしまうことも、リスクと考えるべきでしょう。現場の士気低下や収益低下は見過ごせない問題であり、人事の図書館をご覧の企業の皆様も、日々そういった課題に取り組まれているかと思います。皆様の業務を妨げる「リスク」を発見し、対策していくことも、HRリスクマネジメントの大切な側面です。

 

――新型コロナウイルスの影響はありましたか。

 

全体的なトレンドとしては、業績縮小に伴う社員の一時休業や雇い止めについての相談が増えました。緊急事態宣言が4月7日に発令されたことで、新入社員の受入れに影響が出たケースも多くあったようです。同期同士の横のつながりを作る集合研修や、先輩がマンツーマンで後輩を育てるようなOJT等、例年通りの研修・育成が難しい状況ですので、今後、彼らのモチベーション維持や仕事・会社へのコミットメントにおいて、前例のない問題が出てくるのではないかと予想しています。もちろん、引き続き感染拡大防止には気をつけなければいけませんが、これから新入社員にイキイキと働いてもらうためには、研修等、何か手を打たないといけないのではないかと思いますね。

次のページ:「最近の若い者は」とは、いつの時代も言われてきた。

1 2 3

この記事の続きは、
人事の図書館の会員の方のみ、
ご覧いただけます。

最新記事

BACK NUMBER

一覧へ

おすすめ記事

一覧へ