パス・ゴール理論

人事の図書館 編集長 大西直樹

パス・ゴール理論とは、「リーダーシップ条件適応理論」の1つであり、1971年にRobert J. Houseが提唱したものです。メンバーが目標(Goal)を達成できるかどうかは、リーダーが適切な道筋(Path)を辿れるかに懸かっているという考え方に基づいています。つまり、リーダーが適切に行動できているかどうかで、メンバー(部下)のパフォーマンスが決まるということです。

リーダーシップ条件適応理論とは、「いかなる状況でも最善であるような、普遍的なリーダーシップは存在せず、状況に応じて適切なリーダーシップが異なる」という考え方です。かつて、リーダーシップは先天的な才能であると考えられていました。しかし、成功者のリーダーシップに共通する特徴を見つけられなかったことから、リーダーシップ条件適応理論が生まれました。

 

集団の「環境的条件」と「メンバーの要因」で、有効となるリーダー行動は変化する。

 

パス・ゴール理論では、達成したいゴールに向け、リーダーが部下に有効なパスを示すときには、2つの条件を念頭に置かねばならないとしています。1つは、集団がどのような環境的条件(直面している課題、権限体系、組織等)下にあるか、そしてもう1つは、メンバーの要因(能力や性格、経験等)で、これらの組み合わせにより、そのときに有効となるリーダー行動は変化するとしています。

◆環境的条件

・業務内容:業務遂行の手順が明確かあいまいか、単純か複雑か

・公式的な権限体系:指揮系統が明確かどうか

・職場のチームワーク:集団が統一的に行動できているかどうか

◆メンバーの要因

・認知能力:メンバーが自認している業務遂行能力

・経験:業務に対する見識やノウハウの深さ

・自立性:自身で行動を決められるか、周囲に影響されるか

パス・ゴール理論では、上記2つの状況要因に基づく6つの要素に応じて、「指示型」、「支援型」、「参加型」、「達成志向型」の4つのリーダーシップから適切な行動を選択することで、メンバーの効果的に動機づけと目標達成への生産的な行動へつなげていくことができるとしています。


次のページ:4つのリーダーシップから、適切な行動を選択することが重要。

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