文理の壁を越え、「はやぶさ2」をテーマにJAXAとの共同研究を実現。

Hayabusa2 Radio Wave Reflection Project 同志社大学 文学部国文学科 3年 中山尚さん

「流星バースト通信」の研究で、JAXAの提案募集に挑戦。

 

――まずは「HAYABUSA2 サンプルリターンカプセル観測研究テーマ 提案募集」の詳細についてお聞かせください。

はやぶさ2のサンプルリターンカプセルの帰還は、材料・形状・質量・速度が既知で、発生時刻・座標も予想できる「人工流星」を観測できる貴重な機会であり、将来の大気突入システムの開発や宇宙デブリ低減にむけた研究に大いに貢献すると期待されています。そこでJAXAではこの機会を利用し、宇宙科学や大気突入工学の発展促進につなげようとする研究テーマを募集し、優れた提案を行った観測チームに対して、はやぶさ2カプセル回収班の一員として参加し、研究実証できる場を提供することとし、「HAYABUSA2 サンプルリターンカプセル観測研究テーマ 提案募集」を2019年12月より開始しました。

 

――では中山さんはじめ、4名の大学生がこのテーマに挑むことになったのは、どのようなきっかけからでしょうか?

もともとはこのプロジェクトの代表である川地皐平さん(中部大学工学部3年)がこの公募を見つけて、「何か面白いことはできないか」と考え始めたことがきっかけです。私と川地、そしてメンバーの一員である田中康暉さん(東京大学理科I類3年)は中学時代の同級生で、ロボットコンテストに挑むほどの親友でした。また他にもその時に3人で熱中したのがアマチュア無線で、それと今回のテーマである「流星」がつながったのが「流星バースト通信」だったのです。

「流星バースト」とは、流星等が大気圏に突入する際に生じる柱上の電離気体のことで、この流星バーストによる電波の反射を利用した通信のことを「流星バースト通信」と呼んでいます。これまでの流星バースト通信の研究は宇宙塵による流星を対象に行われており、人工物の再突入における観測・研究はあまり行われておりません。ですが今回のはやぶさ2の事例をはじめ、開発が進む再利用ロケットといった人工物が大気圏に再突入する場合でも、流星バーストと同じ現象が生じるのではないか、またそうした際に地上の無線通信にどのような影響を及ぼすのかを観測・研究するには、まさに絶好のチャンスだと考え、高校時代の友人である河村朋治さん(愛知工業大学工学部3年)を加えた4名で「はやぶさ2からのメッセージを受け取れ!~大気圏再突入物体による電離柱発生現象の観測研究~」というテーマで、提案募集に挑戦することになりました。


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