大学生活で得た学びや経験を活かして、より多くの人の役に立っていきたい。

中部大学「地域連携住居」 上野左京さん/豊田稜介さん

高校時代に興味を持った分野について、大学院で学びを深めている。

 

――まずはお二人の専攻の内容についてお教えください。

上野:私はがんの治療法の一種である「温熱治療」について研究しています。がんの3大療法として挙げられるのが「手術療法」「薬物療法」「放射線療法」ですが、いずれも正常細胞に対する影響が大きい等の問題があり、それに代わる治療法として注目されているのが「温熱療法」です。がん細胞は増殖力が強い分、熱に弱く、43度前後で縮退していくという性質があります。問題はがん細胞をピンポイントで温めるための方法で、これまでは電子レンジと同じ加熱方法でがん腫瘍部位を温める方法をとっていたのですが、がん腫瘍以外も温められてしまうため患者さんの痛みが大きく、治療を続けることに大変な困難を伴っていました。しかし私たちが研究している方法は酸化鉄のナノ粒子をがん細胞にくっつけ、IHヒーターと同じ交流磁場にかけることで酸化鉄のナノ粒子のみを発熱させてがん細胞を弱らせることができ、最終的には免疫細胞の力でがん細胞を死滅させていくことができます。

私は高校時代から化学に興味があり、物質の反応を突き詰めるというよりも化学を生物に利用し、多くの方の役に立ちたいと考え、この分野を選びました。

豊田:私は微生物に関する研究を行っており、なかでも木材等から得られる木質バイオマスをグルコースに効率よく分解できるカビを使った研究に取り組んでいます。木質バイオマスの分解には濃硫酸等を使って化学的に分解する方法と、微生物等を使って酵素で分解する方法に大別されるのですが、前者は環境への負荷が大きいため、酵素による分解法に期待が寄せられています。実はカビにも様々な種類があり、分解のやり方にも得手不得手があります。木を分解するカビとして有名なものはすでにあるのですが、私が研究しているのはそのカビとは少し性質が異なるため、不得手な部分を補うような働きができないかと考え、研究を進めています。

大学進学の際、ミドリムシを使ったバイオ燃料でジェット機を飛ばす、という話を聞いたことがあり、こうした生き物の工業利用が進めば、持続可能な資源として活用できますので、将来伸びそうだな、と考え志望しました。


次のページ:地域の人々との交流を通じて、学生の人間力アップを図る。

1 2 3

この記事の続きは、
人事の図書館の会員の方のみ、
ご覧いただけます。

最新記事

BACK NUMBER

一覧へ

おすすめ記事

一覧へ