「学生の街」で人・地域・仕事をつなぎ、学生を育てる。

特定非営利活動法人コミュニティ事業支援ネット 理事長 東朋子さん/副理事長 奥西崇文さん/職員  柏本晃亮さん

立ち上げ時から、「稼げるNPO」として活動

 

――コミュニティ事業支援ネット(以下:こみサポ)の成り立ちを教えてください。なぜ特定非営利活動法人を選ばれたのでしょうか?

 

東:まず、NPOという組織の成り立ちからお話しできればと思います。1995年に阪神・淡路大震災が発生し、ここ兵庫県を中心に大きな被害をもたらしましたが、その復興にあたっては、ボランティアという存在が大きく注目されました。「ボランティア元年」とも呼ばれるほど、兵庫県に全国各地から多くのボランティアや物資のご支援をいただき、それらが早期復興の大きな力になったことは言うまでもありません。その上で、ひとたび災禍のピークが過ぎ、いざ地域を作っていく、動かしていくというフェーズに移ったタイミングで、単発ボランティアでは担えない役割を、誰かにお願いできるような仕組みが必要になりました。行政・民間企業が長期的に支援し続けることは難しい一方で、個人や任意団体という存在は社会的信用が低く、安心して役割を託すことはできません。そういったなか、街を守り、支え、つながりを作るという役割を担ってもらう「街の生きた情報に精通している存在」が必要であるという事から、議員立法により制定されたのが、特定非営利活動促進法(NPO法)であり、その法に基づいて認証された法人が特定非営利活動法人となりました。そして今ではまちづくりになくてはならない存在となっています。

 

――これまでのセクターではできなかった、痒い所に手が届く支援を行いながら、かつ、持続可能な組織体となりえる存在として制度化がなされたのですね。

 

東:基本的に行政の復興支援というものは住民基本台帳に基づいた支援なんですよね。西宮市どこどこ○○番地には何名の高齢者が住んでいるはずだ、であったり、ここの家の住民が見つからないので近くを捜索しなければならない、であったり。もちろんそういった情報も大切なのですが、実際の街は日々移り変わっています。例えば、孫が遊びに来ているであったり、旅行で1週間家を空けているであったり、旦那さんが単身赴任で家を離れているであったり…そういった情報があるからこそ、助けられる命もあると、震災の際に痛感しました。そして、そんな「生きた情報」は、行政よりも地域に根差して活動しているような、例えば地域で小さなサークルを運営している方であったり、その地域で長く住んでいて顔が利く存在であったり、コミュニティを持っているような方こそお持ちなのではないかと思うようになりました。そういった存在と行政や企業・大学等、様々なセクターがより横断的な活動を行うために必要な「つながり」「広がり」を創出し、地域コミュニティの活性化に貢献していきたいと考え、こみサポを立ち上げました。

 

――ホームページに、「稼げるNPO」と謳っていたのが新鮮でした。

 

東:そもそもNPOと聞くと、「お金のためではなく、世のため人のために活動している慈善団体」といったイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。もちろんその前提は間違っていないのですが、10年以上前は「NPOは稼いではいけない」「そもそもボランティアは労働ではない、ボランティア活動とは無償でやるものではないのか。それを仕事にすべきではないし、できるわけがない。」といった声が世論の大多数でした。しかし、それでは関わってくれる人が疲弊してしまったり、長く関わり続けることができず、組織としても健全とは言えないですよね。そこで、私たちは2007年の設立当初から「稼げるNPO」を標榜し、今の当法人のDNAの1つとなっています。

私たちには、「ご縁から生まれる他にない提案で、関わるすべてのみなさまの幸せを創造します。」というビジョンがありますが、関わるすべてのみなさまのなかには、当然うちで働いてくれているスタッフも含まれると考えています。NPOですので、当然団体としての利益は追及しませんが、スタッフ1人ひとりの働きに応じた対価は支払うべきですし、稼げるようにならないと、雇用を生み出すことも税金を支払うこともできません。10年あまり言い続けて、ようやくこの考え方が浸透してきたかなと感じています(笑)。


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