特集
2020.08.11
注目企業の人事インタビュー 16
「Humanity」=社員の一生を大切にする。
月桂冠株式会社 総務部 人事課 課長 渡邊弘貴さん/総務部 人事課 天川隼輔さん

月桂冠株式会社
古くから交通の要衝として栄え、江戸時代には人口3万人以上、江戸・大坂等に次ぐ町として伝えられている京都・伏見。天然の良水に恵まれ、日本を代表する酒どころでもあるこの伏見の地で、月桂冠株式会社は1637(寛永14)年に「笠置屋」として創業し、以来380年以上の歴史を刻んでいます。常に創造と革新を繰り返すことで度重なる苦難を乗り越え、伝統を継承してきた同社の歴史は、まさに「挑戦」の歴史であり、どこよりも先駆けて酒造りに科学技術を導入し、防腐剤なしの日本酒や常温で流通可能な「生酒」、直近では日本酒で困難と言われた「糖質ゼロ」等、多くの「日本初」を生み出しており、リーディングカンパニーとして日本酒業界を牽引しています。挑戦のDNAを次世代につなぐために不可欠な同社独自の考え方や、大切にしている想いについて、総務部人事課課長の渡邊さん(写真右)と、同課の天川さん(写真左)にお話をお聞きしました。
380年以上の歴史は、創造と革新の歴史。
――380年を超える歴史と伝統をお持ちの貴社ですが、ここまで長く事業を継続してこられた秘訣は、どこにあるのでしょうか?
渡邊:当社には「Quality・Creativity・Humanity」という基本理念があり、「Quality」はお客様に満足いただける最高の品質、「Creativity」は常に創造し革新し続けることを意味しています。
当社には確かに長年培われた歴史と伝統がありますが、それを単に受け継いできただけであれば、きっと会社はここまで存続することはできなかったと思います。最高品質を目指し、常に創造と革新に挑み続けてきたこと、「挑戦」を止めなかったことが月桂冠の今を支えていると、私は考えています。
天川:2017年9月に創業380年の記念式典を開催するにあたり、社員全員に月桂冠を表す漢字一字を募集したのですが、最多得票は「挑」でした。従来の日本酒にはなかった新たな商品開発や、海外マーケットへの進出、さらに日本酒の発酵技術を活かした異分野への展開等、常に挑戦し続ける月桂冠のDNAは、令和になった今日にも社員一人ひとりに脈々と受け継がれています。
――「Humanity」に関しては、いかがでしょうか?
渡邊:「Humanity」は、一生懸命事業に尽くしている「社員の一生を大切にする」という意味です。創造と革新、新たな挑戦を成し遂げるには、社員一人ひとりが充実した人生を過ごしていることが不可欠です。お客様の満足を得るためにはまず社員の満足を得ることが必要です。このような「社員を大切にする」という企業理念を持っている企業はとても珍しいと思います。
天川:基本理念は新卒採用にも色濃く反映されています。選考の基準として「挑戦心」と「自ら考え、行動できる方」、さらに「思いやり・気遣いの心」等も重視した採用を行っています。