名著17冊の著者との往復書簡で読み解く 人事の成り立ち: 「誰もが階段を上れる社会」の希望と葛藤

著者:海老原嗣生、荻野進介

「働き方改革」で日本型雇用が変わる?

 

「働き方改革」についていろいろ議論はあるが、日本の労働法制や雇用慣行をめぐり何らかの改革が必要なのは間違いないだろう。日本の人事部「HRアワード」2019書籍部門優秀賞を受賞した本書は、日本で人事関連業務に携わる方に向け骨太な人事の哲学を語るのとともに、日本経済の状況の変遷に合わせ変わり続けてきた日本の人事のありようをジャーナリスティックに描き出している。

そもそも働き方改革が叫ばれるはるか以前より、日本型雇用は新卒一括採用や年功序列に基づく賃金体系が合理的でない、あるいは欧米と比較し労働時間が長すぎるなどとして批判されることが多かった。しかし、本書ではこのような批判を、「50年1日」と指摘する。つまり、このように長く続く雇用制度には、欧米型と比較し欠点もある一方、「誰もが階段を上がる」、すなわち皆に昇進の可能性が開かれていることによるメリットが労使双方にあるために改革が難しい。これが十分に理解されず、同じような議論が繰り返され続けてきた。

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