組織改革を通じて、理想のキャリア支援の実現を目指す。

青山学院大学 進路・就職センター 進路・就職部部長 祖父江健一さん

職員が主体性を持った、強い組織づくりに取り組む。

 

――2013年まで進路・就職センターで課長として勤務された後、5年間の青山学院中等部での事務長としてのご経歴を経て、再び進路・就職センターに戻られてのご勤務になられたそうですね。

 

長い間、大学で勤務をしていましたので、中等部での5年間は、これまで気付けなかった様々な事を気付かせていただいた、とても貴重な学びのときとなりました。本学院の教育方針は「キリスト教信仰にもとづく教育をめざし、神の前に真実に生き、真理を謙虚に追求し、愛と奉仕の精神をもってすべての人と社会とに対する責任を進んで果たす人間の形成を目的とする」とあります。しかし振り返ってみて、進路・就職部での私は、進路決定率をいかに上げるか、また学生をどうやって大企業に就職させるか、といったことに視点が偏りがちで、本当の意味で学生の自立心の育成や、卒業後の本人の幸せを願う意識が、いつの間にか疎かになっていたように感じています。

中等部では、喜怒哀楽という文字に尽くせないほど多感な生徒たちを目の当たりにし、部長先生をはじめ、教師という仕事に誇りを持ち、葛藤しながらも生徒が本当に好きな先生方との出会いがありました。

また、大学と比べて規模は小さくとも学校運営を事務長という立場で携わり、中等部事務室で共に働く職員にモチベーションを常に与え続けること、育成を含めた人材マネジメントの大切さ、難しさを考えさせられました。あらためて本学のキリスト教教育の理念を通して職員として「教育」を考える原点の場になったことは、幸せな与えでした。中等部での働きと出会いがあったからこそ、その後の進路・就職センターでの業務が学生の生き方、幸せな人生を送ることに結びついているんだ、ということを心から確信できるようになりました。

 

――進路決定率ももちろん大事ですが、それよりも本質的な「為すべきこと」に、お気付きになられたわけですね。

 

中等部から進路・就職センターへ異動し、先ず取り組んだのが、私たち進路・就職センター職員の意識改革です。職員自身が誇りと希望を持ち、仕事に対するやりがいを持って働けなければ、不安や悩みを抱えて来室する学生への進路相談・支援は、本当の意味で果たすことはできません。

会議等の場では役職・年次に関係なく、全ての部員が平等に意見を発言し、ディスカッションのできる雰囲気作り、体制を意識しています。情報共有を大切にし、事務スペースを縮小してでも、15名が揃ってミーティングのできるスペースを創りました。私自身、日々の課員との何気ない雑談からのコミュニケーションを必ず心がけ、トップダウン型ではなくボトムアップ型の、部課員が誇りと意思を持った、一人ひとりの職員が主役となる組織を目指しています。

今年度後期からは若い職員からの発案で、キャリアチューター制度(4年生が後輩に就活アドバイスを相談)を発展させ、これまでは毎年約10人止まりのキャリアチューター(4年生)を、外国人留学生を含め60名にまで増やし活性化を図りました。キャリアチューター制度の運営管理は、職員には業務が増えることになりますが、それ以上に、4年生のキャリアチューターとしての存在・活躍が、進路・就職センターと学生との距離を縮め、身近な存在として学生たちに受け入れられることへと繋がります。そして何より、キャリアチューターを経験した4年生は、愛校心に溢れた社会人としての素晴らしい学びの機会になると思います。

当部の職員は誰もが仕事熱心で、常に向上心を持ち、学生一人ひとりに寄り添うキャリア支援を体現してくれています。人を愛し、人を幸せにすることで自らも幸せを感じられる、そんな優しく温かい雰囲気に満ち溢れた部署であることが、何よりも進路・就職部部長としての私の喜びになっています。

次のページ:課題“発見”能力が、学生にも職員にも必要。

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